一般的に、何事においても良いか悪いかの判断は、多くの体験や経験を通してようやくできる。だが判断とは永遠に一時的な決断、思い込みであり、それが正しいものかどうかは誰にも分からない。美術にしろ音楽にしろ接した際に私たちは"何か"を思う。泣いて感動する場合もあるし、場合によっては「何も思わない」ことを思う。
芸事に勤しむ者は”今”感じたものを素直に表現できるかどうかは重要である。そしてその根拠を言葉で、言葉が出なければ芸事で示さなければならない。自分の考えすらも曖昧な状態で表現者になれるわけがない。
参加者はこの事業を通して素直に感動するもよし、何が理由で腑に落ちないのかを悩むこともよし。そして「現時点の答え」を表現してほしい。
大西洋二朗